下痢

下痢は、症状によりさまざまな原因があります。
原因を大きく分類すると、突然下痢になるケース（急性）とよく下痢になるケース（慢性）の2つに分けることができます。

次のセルフチェックで、ひとつでも当てはまる項目があれば、続きをよく読み、お医者さんに相談しましょう。
・このところ、お腹の痛みや苦しさ、下痢や便秘が続いている
・排便すると症状がやわらぐ
・排便の回数が増えたり減ったりする
・便がゆるくなったり硬くなったりする

◆突然下痢になるケース（急性下痢症）

・飲み過ぎた、食べ過ぎた
　原因は「暴飲暴食」と考えられます。脱水にならないように注意し、様子を見ましょう。

・怪しいものを食べた、周りの人も同じように下痢をしている
　「感染症」または、「食中毒」の可能性があります。早めに病院に行き、吐き気の有無や便の状態を伝えましょう。

・通勤時や会議前などで緊張した
　プレッシャーで、「腸の不調」が引き起こされた可能性があります。よく起こるようであれば、お医者さんに相談してみてください。

・その他
　薬剤の副作用、食べ物によるアレルギーなどが原因の可能性があります。病院へ行き、症状や下痢に至った状況を説明しましょう。

◆よく下痢になるケース（慢性下痢症）

・通勤時や会議前などで緊張すると腹痛とともに下痢をする
　ストレスで「腸の不調」が引き起こされた可能性があります。排便で症状がやわらいだり、体重減少をともなわないのも特徴です。お薬で良くなる場合があるので、お医者さんに相談しましょう。

・腹痛、発熱をともなう下痢で、1日に何回もトイレに行く事がある
　「腸の炎症」により引き起こされた可能性があります。ケチャップ状の血便などが見られる大腸を中心とした炎症（潰瘍性大腸炎）と、肛門部病変などをともなう消化管全体に起こる炎症（クローン病）があります。
それぞれ対応が異なるので、すぐに病院へ行き、症状を詳しく説明しましょう。

・その他
　まれに、大腸のポリープや大腸がん、腸以外の病気、服薬している薬剤によって、慢性の下痢が引き起こされる場合があります。心当たりがあれば、お医者さんに必ず伝えましょう。

◆過敏性腸症候群（IBS)とは？
　強いストレスやプレッシャーを感じた時、急にお腹が痛くなったり、便意をもよおしてトイレにいきたくなったりしたことはありませんか？
このような症状が繰り返し起こる方は、過敏性腸症候群（IBS)かもしれません。

過敏性腸症候群（IBS)とは、腸に明らかな異常が認められないにもかかわらず、ストレスが引き金となってお腹の調子がおかしくなってしまう病気です。

過敏性腸症候群（IBS)の患者さんによく見られる症状としては、以下の様なものがあります。

●通勤や通学途中の電車の中で、急にお腹が痛くなり、便意をもよおしてトイレに駆け込む
●試験や会議の前や途中など、緊張するとお腹が痛くなり、便意をもよおしてトイレに行きたくなる


過敏性腸症候群（IBS)の特徴
過敏性腸症候群（IBS)の患者さんに最もよく見られるのは、お腹の痛みや苦しさと、下痢の症状です。
　しかし、下痢ではなく便秘になる場合や、下痢と便秘を交互に繰り返す場合もあります。
一連の症状が同じ病気によるものとは、気づかない場合もよくありますので、心当たりがあれば、お医者さんに相談しましょう。

過敏性腸症候群による下痢の特徴
・排便すると症状がやわらぐ
・寝ている時には症状が起こらない
・食欲はあり、体重は特に減らない

過敏性腸症候群（IBS)の治療
　ストレスは過敏性腸症候群（IBS)の引き金になることがあります。可能な限りストレスをためず、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
また油っこい食べ物や強い香辛料を含む食べ物はなるべく避け、バランスのとれた食事をしましょう。
　お医者さんからもらう薬には、便の性状を整える薬や、急な下痢・便秘に対応する薬などがあり、個々の患者さんに合わせた適切な薬が処方されます。