おせち料理

昔から、日本人の正月といえば、「おせち料理」ですよね。
今では、おせち料理を作る家庭も少なくなってきています。

でも、そんな「おせち料理」は、とても栄養バランスに優れている料理だということを知っていましたか？
メニューに、それぞれの意味もこめられているのは、知っていると思いますが、おせちは、栄養豊富な健康メニューのひとつなのです。

おせち料理は、日本でも古くからある伝統食と感じている方が多いと思いますが、実際、今の形になったのは江戸時代。
「おせち」と言われるようになったのは、平安時代。
神前に食物を供える行事のことを「お節供（おせちく）」と呼んでいたことからきているようですね。

では、おせち料理のそれぞれの意味や栄養を紹介していきましょう。

・「黒豆」：１年中「 まめ（まじめ）」 に働き「 まめ（健康的）」 に暮らせるようにと願いを込めたもの。
良質なタンパク質が豊富です。大豆イソフラボンは更年期障害や骨粗鬆症に、黒の色素であるアントシアニンは目によいとされています。抗酸化作用も豊富です。

・「数の子」：数の子はにしんの卵で一度にたくさんの卵があるというところから、子孫繁栄を願うもの。
ビタミンＢ１２が豊富です。ニシンの卵なのでコレステロールが豊富です。コレステロール値が高めの人は控えた方がよいでしょう。

・「田作り」：稲の豊作を願う気持ち、五穀豊穣の願いが込められているもの。
小魚なのでカルシウムが豊富で、味覚を正常にする亜鉛などのミネラルが豊富です。

・「昆布巻き」：「よろこぶ」 の語呂合わせから祝いの儀には欠かせない食材です。
カリウム、カルシウム、ヨードなどのミネラルが豊富です。カリウムは、塩分の排出を促し血圧を下げる働きがあります。ヨードは代謝をあげる作用があります。さらに、食物繊維も含まれています。

・「紅白かまぼこ」：赤は邪気を払い、白は清らかな心を意味する。
白身魚のすり身から作られているので良質なタンパク質が豊富です。ただし、塩分が多いので過剰摂取には注意が必要です。

・「栗きんとん」：きんとん「金団」 と書き、その色から財産を現し、富を得る縁起物とされています。
しっかりつぶしたサツマイモに栗を合わせたものなので、ビタミンＣや食物繊維が豊富です。

・「えび」：海老は腰が曲がるまで丈夫という長寿の願いが込めれ、赤色は魔よけの色とも言われています。
高タンパク低脂肪、低エネルギーなので、おつまみにも最適です。カリウムやカルシウム、ビタミンＥ、タウリンなども含まれています。

・「紅白なます」：おめでたい色、紅白の組み合わせは平安、平和を願う縁起物です。
大根の医者いらず、といわれるように紅白のめでたい色合いばかりではなく、ビタミンCも豊富です。


このように、縁起を担ぎつつ、健康にいい食材を豊富に使ったバランスのよい正月料理が、おせちなのです。

生活習慣病の方々にとっては、やはりカロリーや塩分が気になるところですよね。
おせち料理は、長期間食べるものというだけあって、やはり塩分が強いものも多いです。

最近では、カロリーや塩分の控えた「おせち」も販売されているようですが、自分で作ることで、カロリーや塩分を抑えることも可能です。

最近では、減塩醤油や塩分を抑えた塩など、健康志向の方にとって、うれしい調味料も多く出回っています。
砂糖もカロリーを抑えたものもありますよね。
こういった調味料をうまく利用することで、味気のないおせちではない、本物の味に近いおせちを食べることは可能でしょう。

市販のおせちであったとしても、食べ過ぎないように、うまくカロリーコントロールをしつつ、おいしくいただきましょう。