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快眠を得るためには、ちょっとした知識とコツが必要になりますが、まず知っておきたいのが、体内時計について。この時計をいかに正しく動かし続けるか。それが良い眠りを得る大きなカギになります。

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体内時計はとっても繊細

 私たちの体には、概日リズム(約24時間に近い1日のリズム)や、約90分周期で活動する胃腸のリズム、月経周期などの約1ヵ月のリズム、約1年のリズムなど、一定の周期を刻むさまざまなリズム(生体リズム)と、それを動かしている体内時計が備わっています。こういった生体リズムにより、睡眠・覚醒のリズム、体温やホルモン分泌のリズムなどがつくられています。

 「体の中に時計が?」と驚かれる方もいるかもしれませんが、専門家の研究によれば、脳の視床下部にある視交叉上核と いう部分に体内時計(生体時計とか生物時計と呼ばれることもある)のマスタークロック(この他にも数多くの体内時計がある)が存在していることがわかって います。

 どのリズムにも「約」とつけたように、体内時計は機械時計ほど正確ではありません。しかし、そういったゆるさがあるからこそ、私たちはある程度自由な生活 ができるともいえるのですが、その幅にも限度があり、度を越してしまうと生体リズムが乱れ、寝ようと思っても眠れない、起きたい時間になかなか起きられな いといったことが起こりやすくなってしまうのです。
体内時計を整えるカギは太陽の光

 さまざまなデータから、概日リズムには24±4時間程度の幅があるといわれていますが、概日リズムは、外界の環境因子の影響を受けて調節され、特に、光によって変動しやすいことがわかっています。昔から「太陽が昇ると共に起き、沈むと共に眠るのが良い」といわれていますが、これは案外、的を得ている言葉で、睡眠・覚醒のリズムも体内時計の支配下にあるため、光の影響を受けやすく、光を浴びることによって目が覚め、暗くすることによって眠りやすくなる傾向があります(このメカニズムについては後日、別記事でご紹介しますが、朝の光が体内時計を調整し、夜に眠りやすくします)。
 最近、目覚めが悪いという人は、朝起きたらまずカーテンを開け、太陽の光をたっぷりと浴びる。逆に、夜眠れないという人は、夜になったらなるべく明るい光を避ける。それを心がけるだけでも睡眠の質がよくなることがあります。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
監修:国立精神神経センター・精神保健研究所 医学博士 白川修一郎先生
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